ドビュッシーの「海」管弦楽のための3つの交響的描画は退屈だった。音はすれどもメロディが聞こえてこない。メロディがないと音楽は聞きづらいものだ。
マーラーの交響曲第1番「巨人」は60分におよぶ演奏だった。ホーレンシュタインは本曲を60分くらいで演奏し、賞賛を集めたが、それに匹敵するくらい堂々たる演奏であった。
本演奏ではきらびやかな管楽器と、時にはそよ風のように、時には嵐のように咆哮する弦楽器のアンサンブルが絶妙であった。また、第三楽章冒頭で、本楽章のテーマを弾くコントラバスのソロ演奏が、肋骨の裏側をくすぐるように密やかに響き、なんともいえぬ快感を覚えた。
アンコールはマーラーの交響的楽章「花の章」であった。アンコールでマーラーの小曲を聞いたのは初めてだった。スラブ風の節回しで、マーラーが鼻歌でも歌っているような曲であった。
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