レスピーギ作曲による交響的印象「教会のステンドグラス」はあまり印象に残っていない。
ブルックナーの「交響曲第8番 ハ短調」は90分の大曲である。
第2楽章と第4楽章が印象に残った。
第2楽章の繰り返すリズムは耳に心地よかった。次から次へ吹いてくるそよ風や、池に落ちた葉が起こす波紋が徐々に外に広がってゆくイメージを思いながら聴いていた。
第4楽章ではティンパニが波紋を起こし、それが管楽器に伝わり、コントラバスに伝わり、最後にヴァイオリンに伝わりながら徐々に小さくなってゆく。最後はヴァイオリンのピチカートで消えていった。
ブルックナーは音楽で自然を表現する。
「交響曲第8番」の終わりの部分がなんともいえない。まるでスケーターが氷を砕きながら、キュッと止まるように小気味よく終わる。
指揮者の斉藤栄一氏はこのオーケストラを完全に手の内に入れている。メリハリの効いた指揮ぶりと的確な指示は、音楽とは別の部分で心地よかった。
浪漫派から現代音楽につながる中間に存在したマーラーとブルックナーは、わかりやすく明快な浪漫派と比べると、わかりにくく明快でもない。だが、求めても扉を開いてくれない現代音楽に対して、求めさえすればどこまでも扉を開いてくれる。筆者にとってブルックナーはそういう作曲家である。
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