コンサートは「ニュルンベルクのマイスタージンガー」で華やかに始まった。
ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」は定番中の定番である。ドラマ性といい、メロディの華やかさといい、多くの人をひきつける魅力にみちた曲である。ピアニストの竹田理琴乃さんは小柄でキビキビした動作でピアノの前に座った。音が出てきた時、キビキビした音の響きに驚いた。はっきりしてクリアな音だ。この曲にふさわしい音だと思った。
アンコールはショパンの「ノクターン第21番」。ラフマニノフとは反対に憂いにみちた曲である。ピアノの響きが素晴らしい。
今日のメインはベルリオーズの「幻想交響曲」。聴きどころの多い曲である。第1楽章から第5楽章まで個性的で魅力的な曲が並んでいる。今日のコンサートが満席になったのもこの曲によるところが大きいだろう。
第3楽章のオーボエ独奏が良かった。憂鬱な夕暮れに、不安な気分に満ちたオーボエの音が、消えいるかと思われるほど頼りなく響く。オーボエ奏者の腕の見せ所である。
アンコールはラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」であった。「幻想交響曲」の激しい幕切れの後に、優しくなぐさめてくれるような曲は、観客をクールダウンさせてくれた。
外に出たら、新宿の街はまだ明るく、人々は日曜日の夕方を名残惜しげに行きかっていた。
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